上村愛子4位で涙「全力で滑るというのは果たせた」優勝はハナ・カーニー、バンクーバー五輪モーグル

バンクーバー五輪フリースタイルスキー、女子モーグルの決勝が13日(日本時間14日)、バンクーバー近郊のサイプレスマウンテンで行われた。日本期待の上村愛子(30)=北野建設=は第2エアの着地でわずかに板が流れ、28秒88、得点24・58で4位。またも悲願のメダルには手が届かなかった。優勝は、昨季のワールドカップ(W杯)に総合優勝した米国のハンナ・カーニーが26・63点でさらった。



 予選5位で決勝に臨んだ上村は、滑走を終えた時点で2位。一つ前に滑ったシャノン・バーキー(米国)が27秒90のタイムで25・43の好得点を出し、トップに立っていた。残る滑走者は4人。上村の後、予選上位の2人が相次いで転倒し、残りは2人。しかし、地元カナダの期待を一身に集めたトリノ五輪の女王、ジェニファー・ハイル(カナダ)が27秒91、25・69点で上村を上回り、さらに最後の滑走者、カーニーが金メダルを奪った。



 日本勢では五輪初出場、予選11位の村田愛里咲(ありさ)(19)=北翔大=が



スタート直後にバランスを崩したものの、大きな第2エアで会場の歓声を誘い、30秒05、23・22点の好得点で8位。



 2度目の五輪となった伊藤みき(22)=中京大=は第2エアの着地をわずかに乱し、31秒51で21・63点で12位だった。



 長野五輪金の里谷多英(33)=フジテレビ=は猛スピードで滑り降りたが、第2エアの空中姿勢が乱れ、着地で転倒して雪面にたたきつけられた。得点は12・85で19位に終わった。



上村愛子(30)=北野建設=は24.68点で4位となり、メダルにあと一歩届かなかった。村田愛里咲(19)=北翔大=は23.22点で8位入賞。伊藤みき(22)=中京大=は21.63点で12位。里谷多英(33)=フジテレビ=は第2エアでバランスを崩して転倒し12.85点の19位に終わった。



 予選1位のハナ・カーニー(23)=米国=が26.63点で金メダルを獲得した。五輪2連覇を狙ったジェニファー・ハイル(26)=カナダ=は25.69点で銀、シャノン・バーク(29)=米国=が25.43点で銅だった。



 上村愛子「(長野五輪7位から大会ごとに1位ずつ順位を上げ)なんでこんな一段一段なんだろう。オリンピックの舞台で、全力で滑るというのは果たせた。それは満足ですけど、ちょっと悔しい」



 村田愛里咲「ターンが失敗して第1エアがちょっと乱れたけど、そこから積極的に滑れてよかった。4年後もこれからトレーニングを重ねて頑張りたい」



 里谷多英「本当に悔しい。(第2エアは)飛び出た瞬間から全然(感覚が)違っていたんで、ああもうやっちゃった、という感じだった。今後のことはまだ考えていない」



 伊藤みき「今の自分の滑りはできたと思うのでよかった。次の4年に向けて一日一日を大事にして頑張る」



 ◆ハナ・カーニー(米国)2度目の五輪出場。06年トリノは予選で落選し、22位だった。2歳からスキーを始め、W杯は17歳で初優勝し通算8勝。昨季は種目別優勝した。世界選手権では05年にモーグルを制し、昨年はデュアルモーグル3位。168センチ、68キロ。23歳。