オードリー・ヘップバーンの再来?キャリー・マリガンが「マイ・フェア・レディ」リメイク版の主役に決定

ヘップバーンの再来、キャリー・マリガンが『17歳の肖像』で得たものとは



キャリー・マリガン。日本については「一度も行ったことがないのですが、とても行ってみたい」とのこと




アカデミー賞をはじめ、今年の映画賞レースで注目された“21世紀のオードリー・ヘップバーンキャリー・マリガンの主演作『17歳の肖像』がいよいよ4月17日(土)に公開される。今や最もホットな若手女優となったキャリーに、今の心境や撮影秘話を語ってもらった。



17歳の肖像』は、キャリー扮する優等生ジェニーが、ピーター・サースガード扮する年上の男性デイヴィッドと恋に落ち、今まで体験したことのなかった大人の世界に足を踏み入れるという青春ラブストーリーだ。本作で16歳のヒロインを演じて世界的に大ブレイクした彼女だが、この役を手に入れる前の段階でひと波乱あったと言う。



「かなり長いプロセスを経てようやく得たジェニー役です。まず、撮影が始まる2年くらい前に初めて脚本を読んで、オーディション用のテープを作りました。でもインディペンデント映画ということで、撮影の1ヶ月前くらいまで、資金調達が難航していたようです。ピーター・サースガードエマ・トンプソンは最初から映画に参加することが決まっていたけど、映画として実現できるかどうかもハッキリしていなくて。4回目のオーディションで(ロネ・)シェルフィグ監督が決定し、ようやく始動することになったんです」。



本作では、ジェニーが背伸びをしながらも、デイヴィッドに惹かれていく過程が生き生きと描かれている。ジェニーに共感できる部分はあったのだろうか? 「一番共感できた部分は、ジェニーがパリに憧れていた点です。私も自分が今いる場所に満足できなくて、とにかくニューヨークに行きたい、ブロードウェイの舞台に立ちたいという気持ちがありました。今いるところではないどこかへ行きたいと切望する気持ちはよくわかりました」。



見事ヒロインに抜擢され、本作で数多くの映画賞を受賞した彼女だが、撮影前に今の状況は想像できたのだろうか。「6週間半の撮影期間で、低予算で撮った映画だったし、撮影中いろいろあって、まさかこうなるとは思ってもいなかったです。サンダンス映画祭でSPE(Sony Picture Classics)に買ってもらってラッキーでした」。



では、世界的に評価された今の心境とは? また、彼女を取り巻く環境は変わったのだろうか? 「仕事の量も増えたし、本作に出演しなければ共演できなかった素晴らしい方と仕事をする機会を与えられたという面は本当によかったと思います。でも、それらは全て仕事に関する変化であって、私の普段の生活はほとんど変わらないです」。



この映画に出演したことで、得た物はさぞかし大きかったのでは? 「昔は失敗してはいけないとプレッシャーを感じたり、心配することが多かったのですが、緊張せずにリラックスして楽しんで仕事をするということを、ピーターから学びました。彼はいろんなことを試してみて、それがうまくいかなくてもまた別のことをやればいいという考え方の人で、私に楽しんで仕事をすることを教えてくれました」。



劇中のジェニーさながらに、共演したピーターからいろんなことを吸収したということか。本作を経て、女優として躍進した彼女は、『マイ・フェア・レディ』(64)のリメイク版のヒロインに決定。今後も“21世紀のオードリー”の名にふさわしい活躍をしてくれそうだ。まずは『17歳の肖像』で、彼女のフレッシュな魅力を堪能したい。
17歳の肖像 Carey Hannah Mulligan Youtube

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キャリー・ハンナ・マリガン(Carey Hannah Mulligan、1985年5月28日 - )は、イギリスの女優。

3歳のとき、ドイツに移りインターナショナルスクールに通い、イギリスに戻ってからはウォルデインガム・スクールで学ぶ。在学中に演技に目覚め、講演に来たジュリアン・フェロウズに「プライドと偏見」のキャスティングディレクターの助手を紹介してもらい、05年に同作で映画デビュー。同じ年にTVドラマ「Bleak House」に出演、女優業をスタートさせる。以降、映画・TVだけでなく舞台にも立ち、07年の「かもめ」ではロンドン公演に続き、ブロードウェイ公演も行う。映画出演4作目の「17歳の肖像」では主演を務め、BAFTA主演女優賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされ、一躍注目の若手女優となる。



来歴

生い立ち

イングランドロンドン市内のウェストミンスター出身。父親のスティーブンリバプール出身、母親のナノ旧姓ブース)はウェールズ出身の大学講師。曾祖父からはアイルランド人の血を引いている。オックスフォード大学を卒業した兄(オーウェン)がいる。インターコンチネンタルホテルマネージャーである父の仕事の都合で3歳から8歳の時までドイツに住んでいた。



レディング大学への入学が決まっていたものの、18歳の時にGap yearをとった。このとき、高校にジュリアン・フェローズが講演にやってきた。講演後、彼女は校長に、大学へ行きたくない、と伝え、彼に自分の芝居への情熱を伝えるように頼んだ。数週間後フェローズの妻から電話があり、見込みのある若者を囲んだ夕食会に招待された。こののち、彼らに推薦されることにより映画『プライドと偏見』での役を勝ち取った。



キャリア

2004年に舞台でデビュー。翌年公開のキーラ・ナイトレイ主演作『プライドと偏見』で映画デビュー。また、同年放送の『ブリークハウス』に出演し、注目を集める。主にイギリス国内で活躍している。



2008年にアントン・チェーホフ『かもめ』でブロードウェイデビューを果たし、ドラマデスクアワードにノミネートされた。2009年には第59回ベルリン国際映画祭彗星賞を受賞した。



2009年公開の『17歳の肖像』で英国アカデミー賞 主演女優賞などを受賞、アカデミー主演女優賞などにノミネートされた。



私生活

2009年8月から『Wall Street 2: Money Never Sleeps』で共演するシャイア・ラブーフと交際している。



主な出演作品

映画

公開年 邦題

原題 役名 備考

2005 プライドと偏見

Pride & Prejudice キティベネット

2007 And When Did You Last See Your Father? レイチェル

2009 The Greatest ローズ

パブリック・エネミーズ

Public Enemies キャロル

17歳の肖像

An Education ジェニー 英国アカデミー賞 主演女優賞受賞

アカデミー主演女優賞ノミネート

ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門)ノミネート

マイ・ブラザー

Brothers キャシーウィリス

2010 ウォール・ストリート

Wall Street: Money Never Sleeps ウィニーゲッコー

Never Let Me Go キャシー



テレビ

放送年 邦題

原題 役名 備考

2005 ブリーク・ハウス

Bleak House エイダクレア

2006 奥さまは首相 〜ミセス・プリチャードの挑戦〜

The Amazing Mrs Pritchard エミリー・プリチャード

Trial & Retribution X: Sins of the Father エミリー・ハロゲート テレビ映画

アガサ・クリスティー ミス・マープル2 シタフォードの謎

Marple: The Sittaford Mystery ヴァイオレット・ウィレット テレビ映画

2007 ウェイキング・ザ・デッド 迷宮事件捜査班

Waking The Dead シスターブリジット ゲスト出演

ドクター・フー

Doctor Who サリー・スパロウ ゲスト出演

ダニエル・ラドクリフマイボーイジャック

My Boy Jack エルシー・キップリング テレビ映画

ノーサンガー・アベイイザベラ・ソープ テレビ映画

Northanger Abbey