杉本美香が無差別級でも優勝、７８キロ超級との２冠となった柔道の世界選手権

柔道の世界選手権最終日は１３日、東京・国立代々木競技場で行われ、女子無差別級で杉本美香（コマツ）が優勝した。杉本は女子７８キロ超級との２冠となった。

　疲労困憊の体にムチを打ち、苦しい展開の中で繰り出した自慢の技が勝負を決めた。女子無差別級の決勝。重量級にしては１６６センチ、１００キロと小柄な部類の杉本は「ひどい内容」を自覚していたという。だが「気持ちだけは切らさなかった」。一瞬のすきを逃さず、秦茜（中国）に大外刈りを繰り出して体勢を崩すと、一本背負い投げで有効を奪った。

　日本女子で史上初となる２冠の偉業だ。それでも第一声は「勝ってホッとしました」と落ち着いたもの。重量級随一と定評がある技術の高さが土壇場で生きた。オール一本勝ちで７８キロ超級を初制覇したような鮮やかさはなくても「気持ちだけは強くなった」と心地よい疲労感に浸り、人懐っこい笑みを振りまいた。

　これまで全日本女子選手権９連覇の塚田の影に隠れてきた。そのエースが今大会で代表を引退し、新旧交代を象徴する幕切れだ。「塚田さんの分まで自分も頑張らなくては」と奮起したという。

　２年後のロンドン五輪へ歩みを止めるつもりはない。「研究されたらもっと上を目指せばいい。秘密兵器をつくりたい」と高らかに笑った。

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★杉本美香（すぎもとみか、1984年8月27日 - ）

兵庫県出身の、日本の柔道選手である。階級は78kg超級。現在はコマツに所属。

人物

全国高校選手権で優勝するなどジュニアの頃から期待されていた選手で、市立汎愛高校から筑波大学に進学後はシニアでも活躍するが、この階級の第一人者である塚田真希にはなかなか勝てなかった。

しかし、2009年の体重別ではその塚田から一本を取って優勝を果たす。そのすぐ後に開催された全日本選手権では塚田に敗れるも、3位となる。

2010年には、昨年に引き続いて体重別の決勝で塚田を破り2連覇を達成するものの、全日本選手権の決勝では塚田に一本負けを喫して2位にとどまる。

9月に東京で開催された世界選手権では、最初の3試合を一本勝ち、続く準決勝でもキューバのイダリス・オルティスを払腰で一蹴すると、決勝では中国の秦茜を積極的に攻め立て反則勝ちを収めて、オール一本勝ちで優勝を果たす。

さらに無差別にも出場して、準決勝まで順当に勝ちあがり、決勝では78kg超級に続いての対戦となった秦茜から有効を奪って優勢勝ちして、イングリッド・ベルグマンス、高鳳蓮につぐ史上3人目の世界選手権2階級制覇を果たす。

IJF世界ランキングは450ポイント獲得で14位(10/7/8現在)

戦績

2001年 - 全国高等学校柔道選手権大会　2位

2002年 - 全国高等学校柔道選手権大会　優勝

2002年 - フランスジュニア国際　優勝

2003年 -2008年 -　選抜体重別　3位

2003年 - ユニバーシアード　無差別　2位　

2003年 - 全日本ジュニア体重別選手権大会　優勝

2003年 - 福岡国際女子柔道選手権大会　78kg超級　3位

2004年 - アジア柔道選手権大会　無差別　2位

2005年 - チェコ国際　優勝

2005年 - アジア柔道選手権大会　78kg超級　優勝

2005年 - アジア柔道選手権大会　無差別　優勝

2005年 -　全日本学生柔道体重別選手権　優勝

2005年 - 講道館杯　優勝

2005年 - 福岡国際女子柔道選手権大会　78kg超級　2位

2005年 - 福岡国際女子柔道選手権大会　無差別　3位

2006年 - ハンガリー国際　優勝

2006年 -　全日本柔道選手権大会　3位

2007年 - ユニバーシアード　78kg超級　3位

2007年 - 講道館杯　2位

2008年 - アジア柔道選手権大会　無差別　優勝

2008年 - 世界団体選手権大会　優勝

2008年 - 講道館杯　優勝

2008年 - 嘉納杯　2位

2008年 - 世界柔道選手権大会　無差別　3位

2009年 - ワールドカップ　ウィーン　2位

2009年 - グランプリ　ハンブルク　2位

2009年 -　選抜体重別　優勝

2009年 -　全日本柔道選手権大会　3位

2009年 - グランドスラム　リオデジャネイロ　優勝

2009年 - 講道館杯　2位

2010年 -　選抜体重別　優勝

2010年 -　全日本柔道選手権大会　2位

2010年 - 世界柔道選手権大会　78kg超級　優勝

2010年 - 世界柔道選手権大会　無差別　優勝