竹原信一市長解職へ署名提出 阿久根市 リコールに必要な3分の1を遥かに超す1万人の大台

鹿児島県阿久根市竹原信一市長のリコール解職請求)を目指す住民団体「阿久根市長リコール委員会」(川原慎一委員長)は15日、請求に必要な有権者の3分の1(6646人)を超える1万364人分の署名を市選管に提出した。審査や縦覧を経て署名数が確定すれば、年内にも解職の是非を問う住民投票が行われ、過半数の賛成で市長は失職、50日以内に出直し市長選となる。



 リコール委が集めた署名は段ボール10箱分。川原委員長は「市民が勇気を持って署名してくれた」と言葉を詰まらせ「リコールの成立に向けて、これからも訴えていく」と決意を語った。



 竹原市長の専決処分副市長に選任された仙波敏郎氏は「正直、1万を超えるとは予想していなかった。たくさんの方からの厳しいご意見」と感想を述べた。竹原市長は同日午後に記者会見する予定で、出直し市長選となれば立候補する意向を既に表明している。



 竹原市長は3月議会の途中から市議会への出席を拒否。「議会は無駄」と公言して、議会に諮らず予算や条例などの専決処分を乱発。6月の定例議会招集しなかった。リコール委は「独善的で市長の資質に欠ける」と8月17日から署名を集め「一日も早く辞めさせたい」と、収集期限の17日を待たずに署名簿を提出した。



 竹原市長は2008年8月に初当選。議会との対立で09年4月、2度目の市長不信任決議で失職したが、同5月の出直し選で再選した。専決処分の乱発は今年4月からで、伊藤祐一郎知事地方自治法に基づいて議会の招集を求めた2度の是正勧告無視した。



 8月下旬に自らの判断で臨時議会を招集し、議会は専決処分14件を不承認としたが、今度は「議決より専決優先。議会に諮ったので全部有効」と主張している