2年連続4回目出場の興南(沖縄)が延長十二回の熱戦の末、8年ぶり17回目出場の日大三(東京)を10−5で破り初優勝

第82回選抜高校野球大会毎日新聞社日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)最終日の3日は決勝を行い、2年連続4回目出場興南(沖縄)が延長十二回に島袋の2点適時二塁打などで5点を奪って8年ぶり17回目出場の日大三(東京)を降し、春夏通じて初めての優勝を果した。沖縄勢としては08年春の沖縄尚学以来3回目の優勝。センバツ決勝での延長戦は、第61回大会(89年)の東邦(愛知)−上宮(大阪)戦以来13回目となった。興南の左腕・島袋は5失点を喫しながらも、七回以降は1安打に抑えて今大会4回目の完投勝利。日大三は延長十二回に守備の乱れが大量失点につながり、39年ぶり2回目の優勝はならなかった。また、興南我如古日大三の山崎はともにこの日1安打で今大会の安打数を13とし、個人大会通算最多安打記録に並んだ。 

興南高校初優勝の瞬間 2010年選抜 Youtube 



 ○…とっさの切り替えが、決勝点を生み出した。興南の十二回1死満塁で打席の安慶名。1ボールストライクからスクイズを試みたが、捕手の後ろへの飛球となり、ファウルになった。「やっちゃった。でももう打つしかない。次は確実にゴロを打つ」。続く4球目、外角直球をたたきつけて三塁へのゴロに。このゴロが悪送球を呼び込み、勝ち越しの2者が生還した。「併殺になったかと思った。でもゴロ打ちしてよかった。うれしい」。打点はつかなかったが、最高の結果と、記憶が残った。 



 ○…興南の4番・真栄平は無安打ながら、十二回の最終打席で大きな役割を果たした。4球目をフルスイング。打球は一塁手へのゴロとなった。この回先頭の3番・我如古が倒れて既に1死。「ここで凡退したら、勝利が向こうへ行ってしまう。必死に走った」。ヘッドスライディングも及ばず、と見えたが、ベースカバーの山崎が落球し、一塁を得た。ここから、山崎の降板、連続四球に敵失とつながり、一挙5点。昨年の甲子園の春夏初戦敗退から「生まれ変わった興南打線の力を発揮できた」と喜んだ。 



 ◇個人大会通算最多安打13=大会タイ 日大三の山崎福也投手が決勝の興南戦の三回に左前打、興南の我如古盛次内野手が決勝の日大三戦の六回に右前打を放ち、それぞれ達成。第67回(95年)の室岡尚人(観音寺中央)以来で、山崎が2人目、我如古が3人目。



 ◇チーム大会通算最多塁打105=大会新 日大三が達成。単打40本、二塁打15本、三塁打5本、本塁打5本。従来の記録は第72回(00年)の智弁和歌山が記録した101。