福島千里(北海道ハイテクAC)が体重増やして100mに続き200mでも22秒89=日本新 流行のダイエットは?

 陸上・静岡国際(3日、静岡スタジアム)切れ味のある高速ピッチコーナーを抜け、直線に入っても力強さを増した走りは一糸乱れなかった。ゴール瞬間福島タイマーで23秒の壁突破を確認すると、思わず両手をあげて万歳ポーズ。「ついに出たと思って。本当にうれしいです」と感慨に浸った。



 今季は脚の回転数を落とさず、ストライドを広げるという新たな課題と向き合う。得意のスタートは「100メートルのように飛び出そうと思った」と独特の低姿勢で抜けだし、一気に加速した。軽やかにストライドを伸ばし、中間疾走でもピッチが落ちない。0秒11も更新する日本新。「冬を越して少しは力強くなったのかな。最後まで落ち着いて気持ち良く、大きく走れた」と目尻を下げた。



 雪深い北海道の冬場でも屋内施設でピッチを上げる反復練習に精を出し、筋力強化肩甲骨周辺や下半身を一回り大きくした。指導する中村監督は「100メートルのベースがあるから驚きはない。次は22秒5台を目指す。五輪や世界で決勝進出という筋書きがあるからね」とほくそ笑んだ。



 21歳のエースは今季も走るたびに新たな扉を開く。「精いっぱいやり切ったレースはまだない。毎日、毎日、進化したい」。視線の先に夢は広がる。


11月のアジア大会広州=中国)代表選考会を兼ねた静岡国際は3日、静岡スタジアムで行われ、女子200メートル決勝は福島千里(北海道ハイテクAC)が向かい風0・2メートルの条件下、22秒89の日本新記録で優勝した。従来の記録は福島自身が昨年6月の日本選手権で出した23秒00で、0秒11と大幅な更新となった。



 21歳の福島は前半から抜け出し、23秒17で2位の高橋萌木子(平成国際大)らを圧倒した。4月末の織田記念国際でも100メートルで自らの日本記録を塗り替える11秒21をマークし、春先から記録連発で快調に滑りだした。



 女子走り幅跳び桝見咲智子九電工)が6メートル59で勝ち、井村久美子(アイディアメンタルTC)は2位。男子200メートルは藤光謙司セーレン)が20秒83で、400メートルは金丸祐三大塚製薬)が45秒91でともに2位だった。



 ▼福島千里の話 本当にうれしい。22秒台は早く出したかった記録。日本新を出したい気持ちがあったけど、欲を出しすぎずに最後まで落ち着いて走れた。周りの方も期待していたし、自分にも期待する部分があった。



 ▼中村宏之・北海道ハイテクAC監督の話 いつでもこれぐらいは出せると思っていた。驚いていない。普通のこと。次は22秒5台を目指す。

福島千里(ふくしま・ちさと)

競技:陸上生年月日:1988年6月27日出身:北海道


静岡国際女子200メートルで、昨年の世界選手権代表の福島千里(北海道ハイテクAC)が、向かい風0.2メートルのなかで日本選手初の22秒台となる22秒89の日本新記録で3連覇した。従来の記録は昨年6月の日本選手権で福島が出した23秒00。福島は4月29日に100メートルでも日本新を出した。2位の高橋萌木子(ももこ)(平成国際大)は23秒17だった。女子走り幅跳びは、昨年の世界選手権代表の桝見咲智子九電工)が6メートル59で勝った。



  

 記録(1位と日本選手最高



 【男子】200メートル ブレンダンクリスチャンアンティグア・バーブーダ)20秒79(2)藤光謙司(セーレン)20秒83▽400メートル ベン・オファラインズ(豪)45秒75(2)金丸祐三大塚製薬)45秒91▽5000メートル ジョセファト・ダビリ小森コーポレーション)13分9秒19=大会新(5)上野裕一郎エスビー食品)13分24秒75▽400メートル障害 今関雄太(チームアイマ)50秒09▽ハンマー投げ ユーリー・シャユノフ(ベラルーシ)76メートル80(3)土井宏昭(千葉陸協)70メートル14



 【女子】200メートル 福島千里(北海道ハイテクAC)22秒89=日本新▽400メートル ジョアンヌ・カディヒー(アイルランド)53秒08(2)田中千智(福岡大)54秒03▽400メートル障害 ローレンボーデン(豪)55秒49=大会新(2)久保倉里美新潟アルビレックス)56秒50▽走り幅跳び 桝見咲智子九電工)6メートル59▽やり投げ 海老原有希スズキ浜松AC)58メートル59